しつけ・トレーニング

犬の多頭飼いの顔合わせ|先住犬と新入りの進め方

犬の多頭飼いの顔合わせは、玄関で対面させた瞬間に決まる——わけではありません。むしろ、その瞬間が最悪の始まりになることがあります。仲よくなるかどうかは、最初の数日の進め方でかなり変わります。この記事では、先住犬と新入りの引き合わせ方を、順を追ってまとめます。

相性には個体差があります。うなる、固まる、噛みつこうとするなど強い反応が出るときは、無理に進めずトレーナーや獣医師に相談してください。

家の中で初対面させない

先住犬にとって、家は自分の場所です。そこにいきなり知らない犬が入ってくれば、身構えるのは当然のこと。最初の対面は、家の外——どちらの縄張りでもない場所で行うのが基本です。

最初は「並んで歩く」だけ

向かい合わせて鼻を突き合わせるのは、犬にとってかなり緊張する形です。おすすめは、少し距離をあけて、同じ方向に並んで歩くこと。散歩の相棒として一緒に動くうちに、お互いの存在に慣れていきます。

進め方の4ステップ

  1. 外で、距離をあけて並んで歩く:数メートル離れたまま、同じ方向へ。無理に近づけない
  2. 少しずつ距離を縮める:平気そうなら、におい嗅ぎを許す。数秒で切り上げる
  3. 家に入る:先に先住犬を入れて、そのあとに新入り。順番が大事です
  4. 別室・サークルで生活を分ける:においと気配に慣れる時間を、数日〜数週間かけて作る

4のステップを飛ばして「同じ部屋でいきなり同居」にしてしまうのが、いちばんよくあるつまずきです。

リードは、緩めて持つ

不安になると、つい強く引きます。ところがリードが張ると、その緊張はそのまま伝わり、相手に対して身構えた姿勢ができてしまいます。持つのは緩めに、でもすぐ動かせるように。

ちなみに、こちらが「ケンカするかも」と思って固まっている空気は、面白いほど伝わります。深呼吸から始めましょう。

資源は、必ず分ける

犬同士のトラブルは、取り合いになるものの周りで起きます。

  • ごはん:部屋を分けるか、離れた場所で。食べ終わったら器を下げる
  • 寝床:それぞれに、干渉されない場所を用意する
  • おもちゃ・ガム:一緒にいるときは出さない
  • 飼い主:これも資源です。あいさつ、ごはん、なでる順番は先住犬から

最後の一つを、うっかり新入り優先にしてしまう家庭は多いです。子犬がかわいいのは分かりますが、先を立てるほうが、結果的に丸く収まります

うなるのは、悪いことではない

先住犬がうなったとき、叱りたくなります。でもうなり声は、「それ以上来ないで」という意思表示です。叱ってうなりを消すと、次からは予告なしに歯が出るようになります。

うなったら、距離をとる。そして「今のは距離が近すぎた」と学ぶのは、こちら側です。

目を離さない期間を作る

慣れてきても、しばらくは二頭だけにしないこと。留守番のときはサークルや別室で分けます。「もう大丈夫そう」と思ったその日に何かが起きる、というのが、この世界の相場です。

よくある疑問

どのくらいで仲よくなりますか

数日の子もいれば、数か月かかる子もいます。そして「仲よし」にならず、お互い無関心のまま共存する形も、立派な成功です。仲よしを目指しすぎないでください。

先住犬が元気をなくしました

環境の変化はストレスになります。先住犬と二人きりの時間を、意識して作ってあげてください。散歩だけ別々にする、なども有効です。

ケンカが起きたら?

手を出すと噛まれます。大きな音を出す、間に板やクッションを入れるなど、体を入れない方法で引き離してください。頻発するなら、専門家への相談を。


まとめ

犬の顔合わせは、外で・並んで・ゆっくり・資源は分ける。そして先住犬を立てる。急がないほど、結果的に早く落ち着きます。数か月後の、二頭で並んで寝ている姿を楽しみに。

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