大型犬の介護は、気持ちの問題になる前に、物理の問題になります。40kgの体は、愛情では持ち上がりません。そしてその日は、小型犬より早く来ます。この記事では、大型犬の介護で直面することと、その前にできる準備をまとめます。
必要なケアはその子の状態によって変わります。方法は必ず獣医師に確認してください。
その日は、早めに来ます
大型犬は、小型犬に比べて寿命が短めの傾向があるとされています。7〜8歳で、もうシニアの入り口。10歳を迎えたら、立派な高齢です。
「まだ元気だから」と思っているうちに、後ろ足が滑るようになり、階段を嫌がるようになる。準備の時間は、思っているより短いと考えておいてください。
まず、人手の話です
大型犬の介護でいちばん先に問題になるのは、持ち上げられるかどうか。体位変換、車への乗せ降ろし、排泄の介助。ひとりでは無理な場面が必ず来ます。家族で分担できるかを、元気なうちに話しておいてください。
道具に頼る
- 介護用ハーネス・スリング:体の下に通して持ち上げる。腰を守るために必須です
- スロープ:車への乗り降りに。抱えるより、ずっと安全
- 厚みのあるマット:体重があるぶん、床ずれが早くできます
- 滑らない床材、広めのペットシーツ
- キャスター付きの台(移動のとき)
根性で持ち上げていると、先に人間の腰が終わります。そうなれば、ケアそのものが止まります。道具は贅沢品ではなく、必需品です。
床ずれは、体重の分だけ早い
同じ姿勢で寝ていると、骨の出た部分の皮膚が傷んできます。体重が重いほど、その圧力は大きい。大型犬では、数日でできてしまうこともあります。
- 2〜4時間おきに体の向きを変える(できる範囲で)
- やわらかいマットを使い、骨の出た部分の下に隙間を作る
- 濡れたら拭いて、必ず乾かす
- 赤くなっている場所を見つけたら、その時点で受診
体位変換は、ひとりでは危険なことがあります。二人で、声を掛け合って。無理をした結果、両方がケガをする例があります。
通院が、いちばんの壁
歩けなくなった大型犬を、病院まで運ぶ。ここで多くの家庭がつまずきます。
- ペットタクシー:大型犬対応か、事前に確認を
- 往診:来てもらえるか、かかりつけに聞いておく
- 車のスロープと、乗せる人手
- 近所の預かり先が、大型犬を受け入れるか
これらは元気なうちに調べておくことです。歩けなくなってから探すと、選択肢がほとんどありません。
頼ることを、先に決めておく
大型犬の介護は、家族だけで抱えきれないことがあります。デイケア、シッター、老犬ホーム。どれも、見捨てることではありません。
むしろ、倒れる前に頼るほうが、その子との時間を長く保てます。限界まで我慢して共倒れになるより、ずっといい選択です。
よくある疑問
女性ひとりでも介護できますか
道具があれば、できる場面は増えます。ただすべてをひとりで、は現実的ではありません。ハーネスと、頼れる先を先に用意してください。
いつから準備すればいい?
7歳を過ぎたら、情報を集め始めて損はありません。スロープを1つ買っておくだけでも違います。
床ずれができてしまいました
自己流で処置せず、受診を。体重がある子ほど、深くなるのが早いです。
おわりに
大型犬の介護は、人手・道具・移動手段。この3つを、元気なうちに用意しておいてください。あの大きな体を支えるために必要なのは、気合いではなく準備です。








